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コラム
2025.03.31

プロが教える中古トラックメンテナンスの基本ポイント徹底解説

群馬県高崎市・前橋市を中心に中古トラックの販売買取を手掛ける「上陽自動車」です。
パッカー・アームロール・ダンプ・クレーン・ウイング・平ボディー等の特殊トラックを多数取り扱っております。

中古トラックは適切なメンテナンスを行うことで長期間安全に使用することができます。
しかし、その方法や頻度について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、プロのトラック整備士が実践している中古トラックのメンテナンス方法や重要ポイントを解説します。定期点検のコツから長期運用のための秘訣まで、トラックオーナーや運転手の方に役立つ情報をお届けします。

中古トラックのメンテナンスの重要性とは?

中古トラックのメンテナンスは、単に故障を防ぐためだけでなく、様々な面で重要な意味を持っています。

まず第一に、安全性の確保です。
トラックは大型かつ重量のある車両であり、整備不良による事故は甚大な被害をもたらす可能性があります。日本トラック協会の統計によると、商用車の事故の約15%は車両の整備不良が原因とされています。

次に、経済的な観点からも重要です。
定期的なメンテナンスは一見コストがかかるように思えますが、実は大きな修理や車両の早期買い替えを防ぐ投資と言えます。例えば、エンジンオイルの定期交換(約1万円程度)を怠った場合、最悪の場合エンジンのオーバーホール(100万円以上)が必要になることもあります。

また、環境への配慮という観点でも重要です。
適切に整備されたトラックは燃費が良く、排出ガスも少なくなります。国土交通省の調査によると、定期的なメンテナンスを行っている車両は、そうでない車両と比較して平均で約5%の燃費向上が認められています。

さらに、業務効率の面でも見逃せません。
突然の故障によるダウンタイムは、納品の遅延や信頼の失墜につながります。物流業界では「止まらないトラック」が何よりも価値があるのです。

現場で役立つ!メンテナンスの基本チェック項目

プロのドライバーや整備士が実践している、現場ですぐに役立つ基本的なチェック項目を紹介します。
これらは特別な工具がなくても、ちょっとした時間で確認できるものばかりです。

エンジン・オイル類の点検と交換タイミング

エンジンオイルはトラックの心臓部であるエンジンを守る命綱です。
基本的な点検方法としては、エンジンが冷えた状態でオイルレベルゲージを抜き、付着したオイルの量と色を確認します。量が少なければ補充し、黒く濁っていれば交換時期の目安となります。

交換タイミングについては、一般的には以下の目安が推奨されています。

軽油エンジン
5,000〜10,000km走行毎または3ヶ月毎

・ガソリンエンジン
3,000〜5,000km走行毎または3ヶ月毎

ただし、メーカーや車種によって推奨値が異なるため、取扱説明書を確認することが重要です。
例えばいすゞエルフの場合、DPD(ディーゼルパティキュレートフィルター)付きモデルでは5,000km毎の交換が推奨されています。

エンジンオイル以外にも、トランスミッションオイル、デフオイル、ブレーキフルード、クーラントなども定期的な点検と交換が必要です。特にクーラント(冷却水)の不足はエンジンのオーバーヒートの原因となるため、毎日の点検が望ましいでしょう。

オイルフィルターも重要な部品で、エンジンオイル交換時に一緒に交換するのが基本です。品質の良いフィルターを使用することで、エンジンの寿命を延ばすことができます。

タイヤ・ブレーキの状態確認のポイント

タイヤは地面との唯一の接点であり、安全運転に直結する重要な部品です。
チェックポイントとしては、まず溝の深さがあります。法律では、タイヤの溝は1.6mm以上必要とされていますが、実際には雨天時の安全を考慮すると4mm以上あることが望ましいでしょう。

タイヤの空気圧も重要です。
不適切な空気圧は、タイヤの偏摩耗を引き起こすだけでなく、燃費悪化や操縦安定性の低下につながります。冷間時(走行前)に測定し、メーカー推奨値を維持することが大切です。例えば日野レンジャーの場合、前輪は750kPa、後輪は650kPaが標準的な推奨値となっています。

また、タイヤの偏摩耗がある場合は、ホイールアライメントの調整やローテーションが必要です。
特に、前輪の内側だけが摩耗している場合はトーインの調整が必要かもしれません。ブレーキに関しては、パッドやライニングの残量確認が重要です。多くの車両では、パッドの厚みが5mm以下になったら交換が推奨されています。また、ブレーキフルードは2年ごとの交換が一般的です。

ブレーキペダルの踏み具合にも注意が必要です。
ペダルの遊びが大きすぎる、または踏み込んだ時に床まで沈み込むようであれば、ブレーキシステムに問題がある可能性があります。このような場合は早急に専門業者での点検が必要です。

メンテナンス履歴の管理と活用法

中古トラックを長く安全に使用するには、メンテナンス履歴の適切な管理が欠かせません。
まず基本となるのは、整備手帳や専用のノートを用意し、以下の項目を記録することです。

日付と走行距離
・実施した整備内容(オイル交換、部品交換など)
・使用した部品やオイルの銘柄・グレード
・整備を行った場所(自社か外部業者か)
・かかった費用
・気になる症状や異常

これらの情報は、次回のメンテナンス計画を立てる際に役立つだけでなく、万が一の故障時の原因究明にも貢献します。また、トラックを売却する際にもメンテナンス履歴が残っていると高評価につながります。

最近ではスマートフォンアプリやクラウドベースのフリートマネジメントシステムなども充実しています。例えば「車両管理プロ」や「整備手帳アプリ」などのアプリを使えば、紙の記録よりも簡単に履歴を管理できます。

履歴を活用する方法として、定期点検の時期を予測することが挙げられます。
例えば、前回のブレーキパッド交換から約5万km経過したら次回の交換時期が近いと予測できます。これにより、計画的な整備が可能になり、突然のトラブルを減らせます。

また、燃費の推移を記録することで、エンジン状態の変化も把握できます。急激な燃費悪化は、エンジントラブルの前兆かもしれません。早期発見できれば、大きな修理を回避できる可能性が高まります。

専門家が推奨するメンテナンスのコツと実践例

長年トラック整備に携わってきた専門家たちは、独自のノウハウを持っています。
ここでは現役の整備士が実践している、効果的なメンテナンスのコツをご紹介します。

一つ目は「予防的メンテナンス」の考え方です。
これは問題が発生してから対処するのではなく、発生する前に手を打つ方法です。例えば、タイミングベルトは多くの車種で10万km程度での交換が推奨されていますが、8万km程度で予防的に交換することで、ベルト切れによるエンジン破損リスクを大幅に減らせます。

二つ目は「相性を考慮した部品選定」です。
例えば日野プロフィアのエアコンコンプレッサーは、純正品との相性が特に良い特定のコンプレッサーオイルがあります。こうした相性を考慮することで、部品の寿命を延ばすことができます。

三つ目は「季節に応じたメンテナンス」です。
夏場に向けては、クーラント濃度の確認やエアコンガス量のチェックが重要です。冬場に向けては、バッテリー電圧の確認やウォッシャー液の不凍液濃度の調整が必要になります。実践例として、あるトラック運送会社では、ドライバーに「5分点検」を義務付けています。これは出発前に5分間だけ車両周りを歩き、タイヤの状態、オイル漏れ、ライトの点灯などを確認するものです。

この簡単な習慣により、事故率が約20%減少したという実績があります。
また別の例では、エンジンオイルを単に交換するだけでなく、年に1回はエンジン内部洗浄剤を使用してから新しいオイルに交換する方法を取り入れている会社もあります。これにより、エンジン内部のスラッジ(汚れの堆積)を防ぎ、エンジン寿命の延長に成功しています。

中古トラック購入後のアフターケアと長期運用の秘訣

中古トラックを購入したら、まず最初に行うべきことがあります。それは「初期点検」です。たとえ販売店で整備済みと言われても、自分の目と信頼できる整備士の目で確認することが重要です。

特に以下の点は重点的にチェックしましょう。

・全オイル類の状態と量
・ベルト類の張りと劣化状態
・各種フィルターの状態
・電気系統の動作確認
・足回り(特にブッシュ類の劣化)

中古トラックの長期運用で重要なのは「使い方」です。
特に注意すべきは以下のポイントです。まず、エンジン始動後のウォームアップ時間です。特に冬場は最低でも5分程度のアイドリング時間を確保し、エンジンオイルを適切な温度まで上げてから走行を開始することが重要です。これにより、エンジン内部の摩耗を大幅に減らせます。

次に、積載重量の厳守です。
過積載は法律違反であるだけでなく、エンジンやサスペンション、ブレーキに過度の負担をかけます。特に中古車の場合、すでに一定の走行距離がある部品への負担は大きくなります。

また、定期的な洗車も意外と重要です。
特に冬場の融雪剤や海岸地域の塩分はフレームやボディの錆の原因となります。下回りまで丁寧に洗車することで、錆の進行を遅らせることができます。

最後に、長く乗るためには「愛着を持つこと」も大切です。
日々の小さな変化に気づき、早期に対処できるのは、その車両に愛着を持って接している人だけです。単なる「道具」ではなく「パートナー」として大切にすることが、結果的に長持ちさせるコツとなります。

まとめ

中古トラックのメンテナンスは、安全性確保、経済性向上、業務効率の維持のために欠かせません。
日常的なチェック項目としては、エンジンオイルや各種オイル類の点検・交換、タイヤやブレーキの状態確認が基本となります。

また、メンテナンス履歴を適切に管理し活用することで、計画的な整備が可能になります。専門家のノウハウとしては、予防的メンテナンス、相性を考慮した部品選定、季節に応じたケアなどが重要です。中古トラック購入後は初期点検を徹底し、その後も適切な使い方と定期的なケアを行うことで、長期間安全に使用することができます。

トラックは事業を支える重要な資産です。適切なメンテナンスを行い、長く安全に使い続けることで、結果的にコスト削減と業務効率の向上につながります。この記事で紹介したポイントを実践して、あなたの中古トラックをベストコンディションで維持してください。

中古トラックの販売・買取をご検討中の方は、上陽自動車までお気軽にご相談ください。

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